【開館時間】10:00~17:00(入館は16:30まで)
観覧料】 大人210円  小中生100円
20名様以上の団体料金 大人100円 小中生50円

浅川伯教・巧兄弟資料館 (アサカワノリタカ・タクミ キョウダイシリョウカン)
〒408-0002
山梨県北杜市高根町村山北割 3315
   (ホクトシ タカネチョウ ムラヤマキタワリ)
電話:0551ー42ー1447
FAX: 0551ー47ー4784

2010年3月17日水曜日

浅川兄弟講座第6回目のご報告

去る3月13日(土)、午後1時30分より
資料館2階の視聴覚室において、
平成21年度第6回目となる
浅川兄弟講座が開催されました。

「浅川兄弟をめぐる、この1年の動き」
というテーマで、講師は、
『朝鮮の土となった日本人』の著者で
元・津田塾大学教授の高崎宗司氏と、
『回想の浅川兄弟』の共編者、
深沢美恵子氏のお二方。

高崎氏は、2009年に行われた
浅川兄弟関連の講演会や、
新聞・雑誌等の記事等を
韓国のものも含め、多岐にわたり紹介。
「巧と林業」という、新しい切り口もありました。

また深沢氏は昨年4月から7月にかけ、
大阪市立東洋陶磁美術館で開催された、
「浅川伯教が愛した韓国のやきもの」展の
展示内容を詳しく紹介。

約2時間の講演後には、
20名ほどの参加者の方々と、
活発な質疑応答がかわされました。

浅川兄弟講座は、来年度も開催の予定です。
詳細につきましては、決まり次第、
このブログでもお知らせいたしますので、
どうぞご期待ください。

2010年3月12日金曜日

展示品紹介⑫ 伯教の茶碗

教師を続けながら、彫刻家をめざしていた伯教は、
35歳の時に教師をやめ、以前から師事していた
新海竹太郎の内弟子になります。

妻子を抱えた身としては、
かなり思い切った決断だったでしょう。

翌年には帝展(今の日展)に入選し、
早くも結果を出しますが、翌年は自信作が落選。
その2年後には内弟子をやめ、
朝鮮半島に帰りました。

それでも、しばらくは制作を続け、
様々な美術展で度々入選し、
44歳の時には朝鮮美術展で特選をとっています。

しかし、どうやらそのあたりで
彫刻には見切りをつけたらしく、
入れ替わるように本格的に作陶を始めました。

父親がわりだった祖父・四友も焼き物をしており、
少年時代には、色々と手ほどきも
受けたということですから、
素地はあったと思われます。
美術から文学まで、
多芸多才といわれる伯教ですが、
要はクリエイティブなことが
好きだったということでしょう。

資料館だより⑫

3月10日の大雪が、まだ少し残っていますが、
資料館の近辺でも、ようやく
梅の花が咲き始めました。

今年の1月から、ご来館者の方々にアンケートで、
「浅川兄弟のどこに魅力を感じるか」
とお尋ねしています。
今のところ「人柄」と「時代背景」という
お答えが多いようです。

「時代背景」ゆえに際立つ「人柄」ではありますが、
同じ理由で、様々なご意見があることも確かです。

適正な評価は必要ですが、
単なる賞賛のみでは終わらぬよう、
資料館としても常に自戒しています。

2010年3月4日木曜日

展示品紹介⑪ 柳海剛(ユ・ヘガン)の青磁

左が「青磁鉄絵楊柳之筒型瓶」、
高さは約30センチほど。
右が「青磁竹節形瓶」で、
こちらは高さ36センチ。
どちらも柳海剛(1884-1993)の作品です。

柳海剛は、ソウル生まれ。
17歳の時、博物館で目にした高麗青磁に魅せられ、
その復興に生涯を捧げた方です。
また古陶磁蒐集や研究にも尽力しました。

前回、ご紹介した池順鐸に先立ち、
人間文化財第1号に指定されています。

伯教と親交があり、
白土が出る場所を教わったり、
伯教の紹介で、京都の高麗焼で
青磁製作の技術を修得したりということが
あったようです。

伯教は目立たないところでも、
「いい仕事」をしていたと言えるでしょう。

資料館だより⑪

上の写真は、資料館のある
「高根生涯学習センター」のロビーに
設置されているモニュメントです。

高さ約3メートル、白磁の壷をイメージし、
集成材で作られています。
建物をつくってくれた建築会社が
寄贈してくださいました。

ご来館の際は、こちらもどうぞお見逃しなく。



前回の「資料館だより⑩」でご紹介した、
高麗美術館の特別展関連の、
「『浅川巧』日記を歩く」というテーマの
韓国ツアーですが、早くも募集定員に達し
現在はキャンセル待ちの状態だそうです。

巧さん、既にかなり人気者のようです。